日本料理の基本と言われるお澄ましは、冬の間はおしょうゆを心持ち多めに、春になってきたらおしょうゆを控えて塩であっさりと、などと言われます。色の話も同じこと。この季節になるとどうしても爽やかなウキウキ感をお伝えしたく、今年も再びシトラス・グリーンを取り上げます。４月になると、ようやくフランスでも太陽が顔を出し、５月ともなれば、もう夏支度。人々はすでに「今年の夏はどこ行くの？予約済ませた？」などと話はもっぱらバカンス気分、空が明るくなるにつれて心もレモン色です。

マルシェに並ぶ果物も種類が増えてきます。冬の間はガトー・ショコラなどをもっぱら食べていたのに、急にイチゴとキウイの色鮮やかなデザートが好ましくなってきます。こんな季節のちょっと食べたくなるクルマ、それがカングー・シトラスです。

カングーというクルマ、１５０万台も生産されています。パリではみんながフツーに乗っている車です。カングーのおじいちゃんと言われるルノー・キャトルは昔クルマのブルージーンと言われてました。フランスの田舎でワイン、シャンパンを積んで修行したフレンチ・プラクティスの代表みたいな車です。カングーも、キャンプに行く時自転車を積んでいく車、荷物を運ぶ車、そんな実用的イメージが強いクルマです。

閑話休題、　実はアウトドアライフとか世間で流行っているものに縁がなく、スポーツもやりません。アウトドア・テントだ、キャンプだのの話を聞いてもなんか面倒くさそう、食事はやっぱりテーブルでしたいわとつい思ってしまいます。だから今までカングーの良さを聞いても「スポーツマンだけどアジのないお兄ちゃん」みたいなかんじ。で、あまりピンとこなかったのです。だけど、最近いろいろな色のカングーを見る機会を重ねていくうちに、だんだんとこの車ってすごいおしゃれだなと思うようになりました。なぜって、外側の色が内装にも使われているからです。パリのスポーツクラブで見た、脱いだら下にもTシャツと同じ色の下着を着ていたおしゃれパリジェンヌみたいなかんじです。カングー・シトラスという限定車が出た時、一番惹かれたのが外装と同色の糸でワンポイント縫いこんである椅子のデザインでした。シトラスの明るいけど一捻りした深い色合い、甘いけど苦味や渋みある微妙な色、その色糸で縫取りされた刺繍のあるクルマなんて滅多にありません。

カングー・シトラスというのはもともとはフランス本国で限定販売されていたスペシャルバージョンです。

ルノー、特別限定車
「カングー・シトラス」を発売 （2004/09/01）

　ルノー・ジャポンは１日、カングーに特別限定車「シトラス」を設定して１００台限定で発売する。
　同車はカングーをベースに、専用ボディカラー「シトラス・グリーン」や室内の雰囲気を明るく演出する専用シート生地を採用。
また、専用のバンパーやヘッドランプ、１４インチアルミホイールなども特別装備している。　価格は２０７万９０００円（税込）


ルタールという旅行案内書、バックパックを背負って旅行する若者が表紙を飾る「地球の歩き方」みたいなフランスではおなじみの旅行ガイドブックですが、このルタールとのタイアップで出されていました。　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本国仕様は、routardのロゴ入り！

カングーは冒険心を持って旅する人を乗せて行くクルマです。カングーに乗ると新しい世界がどんどん拡がります。車名の由来を見ると、「オーストラリアにいる動物にちなむ名前、きびきびした機動性と同時に懐の深さを持つ（赤ちゃんがお腹にいますもんね）」となってます。なんかいいかんじでしょう。
カングーは、ルノーキャトルから受継いだ足回りと自動車としての安定性、毎日の生活に便利な実用性、そして、フランス生まれのセンスを合わせ持ったクルマです。

ルノー、カングーに大型スピーカー搭載の特別限定車 （2005/05/31）

　ルノー・ジャポンは、カングーに特別限定車「シトラス・サウンドパック」を設定し、６月６日から１００台限定で発売する。

　今回の限定車には、柑橘類のシトラスに由来する専用ボディカラー「シトラス・グリーン（メタリック）」、フロント／リヤ大型スピーカー搭載の
カングー専用「サウンドパック」を特別装備。このほか、ボディ同色のフロント／リヤバンパー、１４インチ専用デザインアロイホイール、
カングー刺繍入り専用シート生地などを装着する。　価格は２０７万９０００円（税込）